武装錬金第25話感想
『貴様にはいるのか!?武藤カズキの代わりが!!!!』
【代わりなどいない】
カズキとヴィクターが月へと消えた後・・・
世界は穏やかに、何事もなかったかのように時が過ぎていく。
だけど・・・
そんな平和な世界で、真実を知る者の心は悲しみに覆われていく。
ここにはもう・・・カズキはいない・・・
『カズキ・・・カズキ・・・カズキ・・・』
『っ・・・はっはっはっはっはっはははははは・・・
こんなもんなんだ・・・不条理なんだよ・・・世の中って奴はよ・・・
これまでも、これからも・・・』
ヴィクター戦の後も、カズキを再殺しようとしていた火渡戦士長でさえ
やり切れない表情。
今までの火渡戦士長だったら、喜ぶべき事だったんじゃないだろうか。
だけど火渡戦士長が
不条理だと感じるのは、
心の何処かでカズキを認めていたからだったんじゃないだろうか?
ヴィクターの真実を知って、錬金戦団も考えを改めたようだった・・・。
寄宿舎にて、ブラボーがまひろちゃん達に真実を告げる。
音も、声もない空間で・・・動きだけでその心の痛みが伝わってきた。
まひろちゃんの泣き崩れる姿に・・・苦しくて胸が張り裂けそうだった。
そして、カズキを想い月を見つめるパピヨン。
『つまらん・・・ここには何もない。
武藤カズキのいない世界など・・・こんな世界など・・・
武藤・・・カズキ・・・』
カズキを失ったパピヨンの消失感に・・・心が痛くて抉られそうだった。
時は流れ、斗貴子さんの傷は癒えていくけれど、心の傷は癒える事はない。
その抉られた心を満たす事は誰にも出来ない。
それでも、いなくなったカズキの為に・・・
『この地を去る前に、
最後に私がカズキにしてあげられる事は何か・・・』
それを考える事で生きているかのようだった。
退院した斗貴子さんに声を掛ける事も出来なかったブラボー。
きっと、今の斗貴子さんには、誰が何を言っても届かないと思う。
ただ、斗貴子さんが出来る事は、カズキが守ったこの世界を自分の足で感じるだけ。
カズキが守ったこの世界・・・
カズキが身体を張って守ったこの土地・・・それでも、私は・・・
斗貴子さんの中のカズキの笑顔が眩しいっつД`)・゚゚・。ウワァァァン!!
立ち尽くし、カズキを想い、カズキを探し、そして・・・
『カズキィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!』
カズキの名を叫ぶ斗貴子さんに・・・もうっ・・・
悲しみが溢れたっつД`)・゚゚・。ウワァァァン!!
しかも、そこで
【ホシアカリ】が流れちゃったから・・・
もうね・・・
ぶわぁぁぁぁぁぁって波が押し寄せてきたっつД`)・゚゚・。
止まらねェェェェェェつД`)・゚゚・。ウワァァァン!!
ただ、伝わってきた・・・
みんなにとって、どれだけカズキが大切だったか・・・
失ったものの大きさが、苦しみが、痛みが、悲しみが・・・
残ったのはそれだけ・・・
どんなにもどんなにもどんなにも・・・
どんなに願っても・・・この世界にカズキはいないんだ・・・
それでも、守られたこの命。
自分がカズキの為に何をしてやれるかを考え続け、
カズキとの思い出の中で見つけた斗貴子さんの答えは・・・
『蝶野!俺もいずれ必ずお前と決着をつける!!』
決着をつける!!!!
それは、カズキが受けたパピヨンとの決着だった。
一方、パピヨンとヴィクトリア。
食人衝動のないパピヨン。
『あなたはすでに、人間や人間の世界、
社会に何の未練も持たない。
ホムンクルスとしては未完成。
けどホムンクルスには成し得なかった脱人間を達成して
人間でもホムンクルスでもない全く別の新しい何か。
文字通り蝶人なのかも。』
そう、今のこの世界には何の
未練も持たない。
唯一未練があるとするならば―――
武藤カズキ―――
そして、その武藤カズキの代わりに決着をつけに来た斗貴子さん。
『何の用だ?俺を始末しろとの任務か?』
『いや、決着をつけに来た。カズキの代わりに!!』
パピヨンの怒り。
決着はパピヨンと武藤カズキでなければ意味はない。
『代わりなどいない!貴様にはいるのか!?
武藤カズキの代わりが!!!!』
武藤カズキでなければ羽ばたけない!!
パピヨンの言葉は、まるで斗貴子さんの心を映す鏡。
武藤カズキの代わりなどいるわけがない。
パピヨンの怒りは、斗貴子さんが始末に来たという事ではなく、
カズキの代わりという言葉。
カズキの代わりなどいるわけがない。
それを一番わかっているのは斗貴子さん自身。
カズキの為にしてあげられる事。
でも、それはきっと望んではいない事だよ。
代わりという事は、もういないと認めてしまう事だから―――
だから
『代わりなどいない』と言い切れるパピヨンが好きだ!
パピヨンは、きっとまだ諦めてはいないんだと思う。
だから、斗貴子さんも・・・諦めないでっつД`)・゚゚・。ウワァァァン!!
この想いはキミに届くだろうか・・・
私はキミとずっと一緒に生きていきたい。
次回、
武装錬金最終話【ピリオド】
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